前置詞について今回は解説していきましょう。
実は、前置詞は英文中で大きな役割を果たしています。しかし、私は受験生にはあまり重要視されていない印象をもっています。前置詞をきちんと理解しないと正確な読解はできませんよ。
まず、前置詞とは何か、です。
前置詞は、文字通り「名詞の前に置かれてその名詞の状態を説明する語」です。
例:There is a park near my house. 「私の家の近くには公園がある」
この文では、near が前置詞、名詞 my house の前に置かれて、「私の家の近くに」という場所を説明しています。
この「前置詞+名詞」の塊を「前置詞句」と呼びます。
例:There is a park ( near my house ).
上の文では、赤字の部分が「前置詞句」ということになりますね。
このように、「前置詞句」の塊をきちんと把握することが、英文読解ではとても重要です。これが把握できないまま読み進めると、意味を取り違えてしまうからです。
実際の英文で、「前置詞句」の使われ方を見てみましょう。ちょっと長いですが、頑張って読んでみてください。
例:To think of the future in relation to the present is essential to civilization. The commonest workman in a civilized country does this. Instead of spending all the money he earns as fast as he earns it, he will, if an intelligent man, save a large part of it as a provision against future want.
この英文では、どこに「前置詞句」が使われているか、わかりましたか?
実は、こんなにたくさんあります!
To think of the future in relation to the present is essential to civilization. The commonest workman in a civilized country does this. Instead of spending all the money he earns as fast as he earns it, he will, if an intelligent man, save a large part of it as a provision against future want.
赤字の部分が「前置詞句」です。ほら、英文のかなりの部分を占めているでしょ。だから、「前置詞句」がわからないとこの英文を読解できないのがわかりますね。
この英文の意味はこうです。
「現在に関連して未来を考えることは文明にとって必須である。文明国家の最も普通の労働者でさえこうしている。稼いだ金を稼ぐとすぐに全て使う代わりに、頭のいい人なら、将来の不足への準備としてその大部分を蓄えるだろう」
この訳で、「前置詞句」の意味している部分を赤字にしてみます。
「現在に関連して未来を考えることは文明にとって必須である。文明国家の最も普通の労働者でさえこうしている。稼いだ金を稼ぐとすぐに全て使う代わりに、頭のいい人なら、将来の不足への準備としてその大部分を蓄えるだろう」
ほら、この英文の大切な部分が前置詞句で表されていることがわかりますね。
いかがでしょうか?「前置詞句」の重要さがお判りいただけたでしょうか?
それでは、次回からは多くの前置詞の中で、特に重要なものについて解説していきましょう。
お楽しみに!