これから国公立大の個別試験や私大入試で、英作文対策をしなければならない人はけっこう多いでしょう。
でも、英作文はあまり練習してこなかった、という人が多いと思います。
そんな人のために、いい方法をお教えしましょう。
それは「減点を減らす」方法です。
英作文で得点を多くする一番良い方法は、得点を多く取るという対策ではなく、減点をできるだけ減らすという対策です。
なぜなら、せっかくかなり正解に近い英文を書いているのに、小さなミスによる減点を重ねて結局は得点がなくなっている、という人がとても多いからです。
では、英作文で減点を減らす方法とは?
それは「簡単ニンジンスープ」という合言葉です。
解説しますね。
この合言葉は、英作文でもっとも犯しやすいミスの頭文字をとったものです。
次の5つです。
1 冠詞
2 単数・複数
3 人称
4 時制
5 スペル
順に説明しましょう。
1 冠詞
英語では名詞の前にはほぼ必ず何かをつけなくてはなりません。私は、冠詞または所有格をつけることを考えるように指導しています。
例えば、「本」という名詞を英作文で使う時、それがまだどの本か定まっていないのであれば、a book です。どの本か決まっているものであれば、the book です。さらに、誰かの持ち物であれば、his book とか her book などのようになるわけです。
さて、冠詞には2種類あります。
(1)不定冠詞 a (母音の前ではan)
不定冠詞とは、不特定のものにつける冠詞です。
例:「私は新入生です」I’m a new student.
※新入生は、他にも大勢いるので、不特定となります。
(2)定冠詞 the
定冠詞とは、特定のものにつける冠詞です。
例:「黒板を見てください」 Look at the board.
※特定のものとは、「何を指しているか相手にすぐわかるもの」のことです。この場合は、教室にいる全員が黒板がどこにあるものかを把握しているので、特定のものとして扱われています。
2 単数・複数
単数・複数とは、名詞が1つなのかまたはそれ以上あるのかを考える必要がある、ということです。1つのときは単数形、それ以上には複数形を用います。日本語にはこの概念はありません。だから、多くの受験生が失念してしまいます。
単数の例:There is a book on the table. 「テーブルに本がある」
複数の例:There are some books on the table. 「テーブルに本が数冊のっている」
ほら、動詞まで変わってしまいます。
3 人称
次に、人称です。英語では1人称、2人称、3人称の3種類がありますね。
特にbe動詞は、この3つの人称によって使うものが変わります。
例:Im a new student.
例:You are a new student.
例:He is a new student.
一般動詞では、3人称で単数の名詞を現在時制で主語にする際には、s ( es )をつけなければならない、というルールがあります。
例:He gets up at 6:30 every morning.「彼は毎朝6時半に起きる」
いわゆる「3単現の s 」と呼ばれるものですが、実に多くの受験生が忘れます。これは高校入試でもしばしば見られるミスですね。
4 時制
過去の文なのに、平気で現在形で書いている人がたくさんいますよ。
誤りの例:「彼が怒ったのも当然だよ」を、It is natural that he get angry.と書いてしまう受験生が多く見られます。これは2重の間違いをしていますね。過去形で書かずに現在形にしており、しかも3単現の s を忘れています。
正しくは、It is natural that he got angry.
5 スペル
これは言わずもがなでしょう。綴りを間違えたら必ず減点されてしまいますから、日頃から正しい綴りを書くように心がけておく必要があります。
以上のようなミスが重なると、減点が多数に上り、結果的にほとんど得点が稼げない、ということになるのです。
ぜひ、この合言葉「簡単ニンジンスープ」を心の中で唱えながら、英作文の練習に取り組んでくださいね。