語彙力は、外国語の力の最も基礎であり、同時に最も応用の利く力でもあります。言い換えると、語彙力があって初めてその他の力(読解、リスニング、英作文など)が身につく、ということです。
ここでいう語彙力とは、ただ単語を見てその意味を言える、というだけではありません。その単語の「意味範囲」やイメージ、使い方まで理解している、というレベルのものです。このレベルの語彙力でないと、難解大学の入試英文では役に立ちません。
では、どうしたら本物の語彙力を身につけることができるのか?
その方法の一つでかつ非常に効果的なものが、「マイ単語帳」をつくる、ということです。
「マイ単語帳」とは、自分で毎日少しずつ改訂しながら作成する、自分だけのオリジナルの単語帳、のことです。
詳しく説明していきましょう。
まず、メモ帳を手に入れてください。
サイズは、ポケットに入る大きさです。常にポケットに入れて持ち歩き、隙間時間に開いて覚える作業を常時行うためです。
そもそも単語を覚えるという行為は、机について「さあ、おぼえるぞ!」と言って取り掛かる、というものではありません。単語や熟語は、一日の中でちょっと空いた時間にさっと「マイ単語帳」を開いて「あっ、昨日はこれをやったなぁ」とか「1週間前にやった単語は何だったかなぁ」と言いながら復習でおぼえるものです。
そのためには、ポケットに常に「マイ単語帳」が入っている状態にしておく必要があるのです。
次に、メモ帳の様式です。罫線が横に引いてある普通のメモ帳で構いません。罫線の幅も自分が見やすいもので結構です。
次に、「マイ単語帳」にどのように記録するかです。
1ページを表裏で使ってください。
表側にその日の日付と英単語、裏側に日本語、をメモします。その際、裏側にはその単語が出てきた英文もメモしてください。全部でなくてかまいません。その単語の前後の、意味のまとまりのある部分だけをメモするのです。
また、表側には、アクセントの位置と発音記号をメモします。これによって、発音できるようにしておきます。(発音できないと覚えられませんから)
ところで、発音記号は読めますか?ここでは、発音記号が読める、という前提で書いていますが、もし読めない人がいたら、必ず前もって学習しておいてください(別ページで解説しますね)
さて、ここで記録する単語は、その日に読んだ英文中のものでなければなりません。なぜなら、私達は前後の文脈からその単語の意味、意味範囲、イメージ等を理解し覚えていくからです。市販の単語帳は単語が独立して出てくるので、文脈で覚えるということができません。市販の単語帳で覚えてもすぐに忘れるのはこのためです。だから、単語が覚えられないと嘆いている人、それは人間の記憶の仕組み上、仕方がないことなのです。がっかりしないでいいですよ。
では、市販の単語帳は何のためにあるのか?それは、これまで覚えた単語を再度整理し直して確認するためです。
「マイ単語帳」について、おさらいします。
1 毎日読んだ英文の中で、知らなかった英単語や熟語を「マイ単語帳」にメモする。その際、1ページの表側に英語(アクセントと発音記号も)、裏側にその意味とその単語が現れた英文の一部をメモする。
2 「マイ単語帳」は常にポケットに入れておく。そして、ちょっと時間があったら開いて見直す。昨日のページ、1週間前のページ、そして1か月前のページの3ヵ所を見直しましょう。そうすると、記憶が強化されて忘れにくくなります。
いかがでしょうか。
「マイ単語帳」をつくって、英語の語彙力をしっかりと増強しましょう。語彙力は英語力の必須です!