「英宮塾」通信第3号~「人が伸びるコツ」~

私たちが能力を一番発揮できる時とは、どんなときでしょうか?それは、今取り組んでいることに楽しさを感じるときです。そして、自分が置かれている状況を楽しいと思うか苦しいと思うかは、自分の感性と解釈によります。

 

反対に、実力を発揮できない理由は、やるべきことに集中できていないからです。それは、過去の後悔「もっと早くから準備しておけばよかった」や、未来への不安「失敗するかもしれない」にとらわれてしまって、現在に集中できなくなっているからです。

 

皆さんは今までに時間を忘れて何かに熱中した経験があるでしょう。そういう心理状態を「フロー」とか「ゾーン」と呼びます。これは、ハンガリーの心理学者、チクセントミハイ博士が1990年に提唱したものです。

 

「ゾーン」に入ると、人は自分の限界近くまで能力を発揮することができます。目の前の状況に完全に集中しているので、不安やストレスを感じることなく、楽しんで取り組むことができます。これを「ゾーン」に入ったといいます。つまり、人は「ゾーン」に入ることによって、自分の力の限界まで発揮できるのです。

 

それでは、どうしたら「ゾーン」に入れるでしょうか。

 

まず目標を明確にすることです。「ゾーン」に入るには、心理エネルギ-を目標に向けて100%近く集中する必要があります。そのためには、目標ははっきりしていなければなりません。その取り組みの目的や目標をできるだけ具体的に設定してください。

 

その際注意しなければならないことは、目標を今できることから少しだけ高いところに設定することです。あまり高い目標だとすぐに挫折してしまいますし、低すぎると「ゾーン」に入る前に終わってしまいます。ちょっと高いハードル、頑張れば届くところにある目標にすることが重要です。

 

取り組とき意識してほしいことは、いつもの自分のペースよりも少し速いテンポで行うことです。例えば、読むスピードを少し速くする、少し速く書く、動作をテンポよく行う、などです。そのために、私自身が行っている方法を紹介しましょう。それを「タイマー法」と名付けています。必要だと思うよりも少しだけ短くタイマーを設定し、勉強を始める、という方法です。例えば、この問題を解くのに20分かかると思ったら、タイマーを15分に設定して、「用意、ドン!」で始めるのです。

 

最後に、最も大切なこと、それは楽しむ、ということです。もちろん辛い練習だったり、不得意教科で難しい問題を解いたりすることもあるでしょう。しかしそんなときも、できるだけ楽しもうとする姿勢が大切です。自分の心の持ち方次第で、どんな挑戦も楽しい取り組みに変えることができます。これができたら自分はまた一段階成長するのだと考えて、「いいぞ、いいぞ」とか「やってやるぞ」などと言い聞かせながら取り組めば、案外辛いことも楽しく思えてくるものです。「難しくておもしろい」と言える人になってほしいのです。

 

英語のChange は、一文字変えるだけでChanceになります。まさに、自分の考え方を変えることがチャンスをつかむことになる、ということです。皆さんの努力が成功への道に繋がっていくことを祈ります

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