前回、英文の「文の要素」に入らないものとして「前置詞句」を取り上げました。今回は「接続詞」です。
接続詞には、2種類あります。
「等位接続詞」と「従属接続詞」です。
今日は、「等位接続詞」について、さらにその中でも特に重要なandについて解説しますね。
まず、「接続詞」とは何か。
文字通り、文と文、あるいは語と語を接続する語のこと。
その際、「対等」に接続するか、または「主節と従属節」の関係で接続するかによって、2つの接続詞が分かれるのです。「対等」につなぐのが「等位接続詞」です。
では、「等位接続詞」にはどんなものがあるか。絶対に覚えておいてほしいものはたったの3つです。
and, but, or、この3つだけ。
その中でも、andは恐ろしいほど頻繁に英文の中に現れ、しかも重要な役割を果たしています。
皆さんは、「andなんて、簡単じゃないか」「誰でも知っているし」などと思っていませんか。
実は、andのおかげで、英文は驚くほどの深まりを見せるのです。
まずは、基本的な用法です。
Mary and I are best friends.「メアリと私は親友です」
ほら、and が Mary と I を「対等」の関係で接続していますね。
この「対等」という概念が曲者なんです。このことが、複雑な英文をつくる要因となります。
次のような文です。
In foreign travel and foreign language, we become aware of, and come to appreciate the ways of verbal and cultural expression different from our own.
「外国旅行や外国語によって、私達は自分達とは異なる言葉や文化の表現方法を知り、そして評価するようになる」
この英文では、andが何と3つも出てきます。
まず最初のandは簡単です。foreign travelとforeign languageを「対等」に接続しているだけですから。
次のandは曲者第1号ですね。
これは、この文の動詞 become aware of と、come to appreciate を「対等」に接続しています。
曲者第2号は、次のandです。
このandは、形容詞の verbal と cultural を「対等」に接続します。
この2つのandによって、この英文は、次のように解釈されなければならないのです。
すなわち、2つの動詞、become aware ofとcome to appreciateが、the waysという目的語を共通してもち、2つの形容詞、verbalとculturalはそのどちらもexpressionを修飾している、ということです。
上記の訳になる理由がわかりますね。
いかかでしょうか。等位接続詞のandの魔法のような使い方、すごいですよね。
このような形でのandは、実に様々な英文の中に現れ、その意味を深めています。
ぜひ、参考にしてくださいね。