皆さんは「発音記号」が読めますか?
「発音記号」をしっかりと理解していない生徒が多いようです。確かに、学校ではあまり扱わないようですね。
でも、「発音記号」が読めるととても便利なんですよ!
そもそも、私達は発音できない言葉を覚えるのがとても苦手です。なぜなら、発音は記憶を呼び起こすスイッチのようなものだからです。従って、口に出して発音しながら確認すること、これが英単語を覚える第1歩となるのです。(その証拠に、発音がうろ覚えの単語はすぐに忘れてしまうでしょ)
それほど大切な発音を知るために必要な道具、それが「発音記号」です。ぜひぜひ、マスターしてくださいね!
と言っても簡単です。なぜなら、「発音記号」のほとんどはローマ字だからです。
例:[ buk ]
これ、何と読むかわかりますか?
そうです、 book です!これは book の「発音記号」なのです。ほら、簡単でしょ。
しかし、ローマ字にはない「発音記号」があるんです。
それらはどうしても一つ一つ覚えなければなりません。
とは言ってもそんなにたくさんありませんから大丈夫ですよ。たったの10個です!(それに発音の方法を表す記号がもう1つ)
では、一つ一つ見ていきましょう。
[ʌ]
この記号を私は「驚いたのア」と呼んでいます。私達は、思いがけないことが起こった時「あ、びっくりしたぁ」と言いますね。この時の「あ」がこの音です。
「お母さん」の mother の最初の母音ですよ。
例:mother [ mʌðə ]
[æ]
この記号は、「アとエの中間」と呼んでいます。つまり、日本語の「あ」と「え」の混ざったような音です。「帽子」の cap の最初の母音ですよ。
例:cap [ kæp]
[ə]
この記号は「曖昧のア」と呼んでいます。はっきりと発音しない「ア」の音です。多分日本人には一番難しい発音の一つですね。「女の子」girl の最初の母音です。
例:girl [ gə:l]
発音のコツは、口の中で舌を上に向かって丸めながら、その先端をどこにもつけない、です。これがなかなか難しいのですが、ぜひ練習してマスターしてください。
[ɔ]
この記号は、口を開けた顔を横から見た形です。口を縦にあけながら発音します。「少年」 boy の最初の母音です。
例:boy [bɔi]
[θ]
この記号は、上の歯に舌を少し当てながら、息をこすらせる音です。いわゆる th の音ですね。息だけで、声は出さずに発音します(これを「無声音」と呼びます)。「ありがとう」の thank you の最初の母音です。
例:thank [θæŋk]
「サンキュー」の「サ」を、日本語の「サ」で発音しないようにしてください。
[ð]
上の[θ]と同じ方法で発音しますが、こちらは息だけでなく声も出して発音します(これを「有声音」と呼びます)。「これ」 this の最初の母音です。
例:this [ðis]
[ʃ]
「シュ」という音です。蒸気機関車の音と言えばわかりますよね。唇を少し突き出しながら息を吐く感じです。声は出しませんよ(「無声音」と言うのでしたね)。「靴」 shoes の最初の母音です。
例:shoes [ʃu:z]
[ʒ]
上の[ʃ]に息だけでなく声も出して発音します(有声音ですね)。「ジュ」となりますね。「普通、たいてい」のusuallyの真ん中の音です。
例:usually [juːʒuəli]
[j]
この音は、you の初めの音です。you の発音記号は[ju:]です。
[ŋ]
これは、young の後半の音です。young の発音記号は[jʌŋ] です。息を飲み込みながら「ング」と言う感じです。
いかがでしょうか?以上が10個の「発音記号」です。たったこれだけですよ。
最後に、音ではなく、発音の動作を示す記号です。
[:]
これは、その語を伸ばして発音しなさい、という記号です。
例:[ru:m]
この記号が読めますか?
そうです、room です!ほら、簡単でしょ。
いかがだったでしょうか?
「発音記号」たったこれだけ。ぜひマスターして、「発音記号」を見ればどんな単語も読めるようになりましょう!