英語の文を理解するために、文型という考え方が昔から取り入れられてきました。しかし、最近は「コミュニケーション英語」重視のために、少し軽視される傾向にあるようです。
私は、英文の理解に文型の考え方は不可欠だと考えています。その理由を今日は述べたいと思います。
大きな理由は、英語が「語順」で意味を決める言語だから、というものです。日本語には、助詞という便利なものがあり、語順を変えても助詞がその単語の意味や文の中での働きを示してくれます。しかし、英語には助詞がありません。だから、英文は単語と単語の間が空白になっているわけです。
では、助詞もないのに、その単語の文中での働きがどうしてわかるのか。それは「語順」によって、です。
例えば、I gave her a flower. は、
「私は彼女に花をあげた」という意味ですが、それは、herが先に来て、あとにflowerが来るからこそ、その意味だとわかるのです。
これを、I gave a flower herと順番を変えると、「私は、花に彼女をあげた」という意味になります。これでは何のことかわかりませんね。
一方、日本語では、「わたしは花を彼女にあげた」としても、意味は変わらないのです(大きくは)。
この文は、英語の文型で言えば第4文型で、「主語+動詞+目的語+目的語」と並ぶものです。
この時、前の目的語が「人」であり、後ろの目的語が「もの」(広い意味で)になる、ということを知らないと、正しく文が読めないし、まして書くことや、話すこともできませんね。
このように、文型の理解は英文の理解に直結しており、さらにはコミュニケーションという英語を道具として使う際にも、必要不可欠な知識なのです。
でも、文型って難しそうと思うかた、安心してください。
英語の文型はたったの5つしかありません。そして文型を決定する「文の要素」は、わずか4つです。(文の要素については、後日書きたいと思います)
ほら、大丈夫でしょ。
文型をしっかり理解すると、英文の構造がはっきりと見えてきます。すると、その内容が正確に理解でき、さらには速く読めるようになります。(速読力は、現代の英語力では非常に重要視されている力です)
いかがでしょうか。文型という考え方がいかに英語力にとって重要かを理解して頂けたでしょうか。
ぜひ、文型を再確認して、皆さんの英語力向上に役立ててくださいね。