完了形が本来の意味ではなく、単なる過去の意味で使われることがあります。
このことを知らない生徒が多いようです。
皆さんはどうですか?
それは、次の3つのパターンなんです。
1 不定詞の完了形
2 動名詞の完了形
3 助動詞の後の完了形
いかがですか?知ってましたか?
順に説明していきましょう。
1 不定詞の完了形
これは「to have 過去分詞」の形で、過去の意味を表すものです。
例文:She seems to have passed the exam.「彼女はその試験に合格したようだ」
この文では、彼女が試験に「合格した」という過去の意味を、完了形の have passed が表しています。
2 動名詞の完了形
これは、「having 過去分詞」の形で、「Vしたこと」という過去の意味を表します。
例:All of the students deny having broken the window.
「その生徒たちはみな窓を壊したことを否定している」
この文では、窓を「壊した」という過去の事実を、動名詞の完了形 having broken が表しています。
※ deny は、目的語に動名詞しかとれない動詞です。
3 助動詞の後の完了形
「助動詞 + have 過去分詞」の形で過去の意味を表します。
次の5つのパターンがあります。どれも重要ですよ。
(1)can’t have 過去分詞「~したはずがない」強い否定の推量
例:He can’t have seen her.
「彼が彼女に会ったはずがない」
(2)may have 過去分詞「~したかもしれない」
例:She may have missed the train.
「彼女は電車に乗り遅れたのかもしれない」
(3)must have 過去分詞「~したに違いない」強い推量
例:He must have been asleep.
「彼は寝ていたに違いない」
(4)ought to ( should ) have 過去分詞「~したはずだった、~すべきだったのに」
例:They ought to have arrived here by now.
「彼らは今頃はここに到着しているはずなのだが」
(5)need not have 過去分詞「~する必要はなかったのに」
例:You need not have got up early today.
「今日は早く起きる必要はなかったのに」
さて、これら3つに共通することがあります。気づいたでしょうか。
それは、どれも過去を表すのに過去形が使えない場合である、ということです。
不定詞では、toの後の動詞は原形でなければなりませんし、助動詞の後も動詞は必ず原形です。
そして、動名詞は動詞に ing をつけなければなりません。
ほら、どれも過去形が使えないでしょ。
というわけで、過去形が使えないために完了形で代用する3つのパターン、理解できたでしょうか?
ぜひ参考にしてください!